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無駄だらけのゾンビ企業 中国国有企業を改革できる?【禁聞】

2016年03月19日

【新唐人2016年3月20日】
 

3月12日、中国当局の両会(中国人民代表大会と中国人民政治協商会議)の記者会見で、「ゾンビ企業」が再び注目されています。国務院国有資産監督管理委員会(SASAC)の責任者が、国有企業の改革について、直面する課題や困難はかつてないもので、責務を果たせないものは排除しなくてはならないとコメントしています。国有企業改革の新ラウンドが始まりました。

 

3月12日、SASAC主任肖亜慶(しょう あけい)氏は、「昨年の106の中央国有企業の全体の利益がマイナス6.9%の成長だった」と言いました。

 

さらに、「現在、国有企業は管理層が多く、4、5層あるいはそれ以上に重なり、管理体制または管理能力が、新しい経済体制に適応出来ていない」と肖亜慶氏は指摘しました。

 

また、「優れた多国籍企業や民間企業は市場競争の先頭に立って実行し、国有企業も改革しなくてはならない」と強調しました。

 

サウスカロライナ州エイキン商学院終身教授謝田氏
「まず 国有企業の独占はサービス品質と効率を悪くし、人々は競争の恩恵を享受できない。また 国有企業は中国当局官僚の権力乱用の温床となっています。さらに 国有企業は輸出入や海外投資に関わり、中国当局の官僚の資本逃避のルートとなり、また 国有企業は資源を奪い。企業間の不公正な競争をもたらしています」

 

SASAC副主任張喜武(ちょう きぶ)氏によると、国有企業改革の難しさは、前例のないもので、30年間の改革開放によってもたらされた、課題、困難と矛盾と絡み合い、複雑さを増しています。

 

中国メディアによると、「18回人民代表大会」から昨年11月までに、中国中央紀律委員会の発表では、調査や処罰された171名の国有企業幹部のうち、取締役会長、社長及び党書記は104名、全体の61%を占めています。

 

処罰された幹部は、中央政府と強い関わりがあり、周永康(しゅう えいこう)の腹心として知られる中国石油前会長、SASAC主任の蒋潔敏(しょう じぇみん)、江沢民の派閥トップ曾慶紅(そう けいこう)の腹心の華潤集団前会長、党書記宋林(そう りん)、江沢民の幸運の地と言われる第一汽車(FAW)の前会長、党書記徐建一(じょ けんいち)がその例です。

 

国有企業の管理部で未だに改革認識がなく、責務を果たせない人がおり、これらの人を洗い出さなければなりません。

 

北京時事政治ウォッチャー 華頗(か ぼう)氏
「これらの人は何もせず、口先ばかりで実務に手を出さない。だから 習近平氏は政治局会議で、『各階層の党の幹部は改革の指導者であり、実行者であるべきだ』と呼びかけています。この言葉は非常に興味深いものです。いわば今 煙のない戦争が行われているのです」

 

裏切り者とされている中国石油は、株価が急落し、国際原油価格が暴落したのに、石油価格は高いままで、昨年、三大石油の指導部がすべて変更されましたが、中国国民は、依然、高値の石油を使わざるを得ません。

 

肖亜慶氏は、三大石油会社改革についての質問に、「中央国有企業は余分に重なり合った部分が存在し、三大石油会社は外から見ると、各部門は異なって見えるが、実際には重なり合ったものが多い」と答えました。

 

また、昨年、中国移動通信、中国電信と中国聯合通信が3つの通信塔を同じ区域に建設し、周辺住民の反対を招き、多くの資源を無駄にしていると肖亜慶氏が例を挙げました。

 

米国在住時事政治評論家藍述(らん じゅつ)氏は、「歴代共産党指導者は国有企業を、中国の資源を切断し利益を分割する道具として使い、江沢民時代が特にひどい」と指摘します。

 

米国在住時事政治評論家藍述氏
「改革のプロセスのなかで、常に反腐敗と繋がり、最終的に具体的な企業、いわゆる大型国有企業と結び付重要なのは人事問題で、古い官僚システム、主に江沢民時代の官僚システムに打撃を与えることです」

 

昨年9月、24の中央企業のNo.1が更迭されました。中国国家行政学院教授竹立家(しょう りか)氏は、これで国有企業改革への道が開き、縁故主義を断ち、派閥解体できる」と話しています。

 

しかし、一部の批評家は、「中国当局の財産の国有化、権力の私有化は体制の問題で、新しい派閥の出現も必然だ」と指摘しています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

 

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/03/15/a1257619.html (中国語)

 

(翻訳/小松 ナレーター/金丸 映像編集/李)

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